廃陸の旅団

一方リリーが息を引き取るのを見届けたカムイは単身最上階へと向かっていた。

アンバー・タワーは壮大な敷地面積を誇る為、四方の端に階段もしくはエレベーターが設置されている。

エレベーターは爆発により停止をしているので使うことができず、カムイは階段を駆け上がっていた。

リリーの顔が頭から離れなかった。

「……くそ。……くそっ、くそぅ。」

仕方のないことだと理解しつつも、リリーを護れなかった怒りがこみあげる。


それを振り払うかの様に足を動かしていたカムイはいつの間にか、ハイマンスの治療を待つマール達を追い抜いてしまった。

窓から見える雲すらも遠く下に見える。

アンバー・タワーの最上にカムイは1人辿り着くのだった。


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