廃陸の旅団

凄まじい乱気流がカムイを呑み込もうとした時。

「――カムイを保護して『サンクチュアリ』」

光がカムイを包み込んだ。

「カムイを束縛する檻を破壊せよ『ホーリーランス-聖騎士の投げ槍-』」

サンクチュアリの完全保護下におかれたカムイには如何な呪術も干渉されない。

アストンはスクアロによって回復したフォースを込め、光の槍を放つ。

「くそ、フォースが戻ったのかアストン。」

アストンのフォースが回復した今、呪術の腕でアストンの右に出るものは居ない。

極限まで洗練された術が頑強な絶望の檻を取り払った。

チャラッ。と何かが擦れる音をローザスが聞いた時、それはすでにローザスの全身を束縛していた。

「ここまでだよローザス。」

「……くっ、氷空のジン!!」

鋼鉄の鎖がローザスの動きを完全に制していた。

ローザスは憎悪を込めた瞳で、そこに集結した面々を見渡した。


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