廃陸の旅団
「あらあら、本当に面白い面子だこと。」
マール、アストン、ジン。
そしてオスカー、スクアロ、ハイマンス。
ローザスが最も危惧し、計画の妨げになると警戒していた人物が揃っていたのだ。
「みんな助かったよ。それに、あんたは……虹神。」
ちらりと一目だけカムイを見たハイマンスだったが、ローザスに話し掛ける。
その声は深く落ち着いていた。
「さて、何か言うことはないのかローザス?」
ピリピリと張り詰めた空気が辺りに広がる。
ローザスはくすりと笑った。
「お身体の調子はよろしいのですかお父様?」
ハイマンスは無言で見つめ続ける。
「はぁ。冗談の通じない方ね。ねぇ、この鎖解いてくれないかしら?」
ローザスの言葉をジンが鼻で笑い飛ばす。
「解くわけがねぇだろうが。」
「そう。なら、自分で解くから良いわ。」
「……は?」
ローザスの両の眼が緑色に光る。
それを見たハイマンスが叫んだ。
「氷空の離れろ!!」
その叫びと共に、ジンは原の底から沸き上がる違和感を覚え、後方へと飛んだ。
その時、緑色の光が辺りを照らしたかと思うと、ローザスを縛っていた鎖が周りの床と共に弾け飛んでいた。
「……教えてあげるわカムイ。緑柱眼の本当の使い方をね。」
ローザスの両の眼に宿った緑色の光がカムイ達一行を不気味に見据えていた。