廃陸の旅団

「我が言霊を聞きて応えよ『ターピュランス』」

広大な面積をもつアンバー・タワーの最上階を丸ごと飲み込むローザスの呪術。

すでに相殺する為の術の詠唱に入っていたアストン。

「紅き煌めきを以て悪しきき力を焼き払え『シャイニング・レイ-罪を照らす陽光-』」

天空より降り注いだ光がローザスの生み出した乱気流を打ち払ったが、互いのフォース圧は等しく相殺される。

術を放った瞬間からスクアロへと近づいていたローザスが手を空で切った。

数多くの糸がスクアロの白い肌を切り裂こうと向かう中で、スクアロは艶やかな舞を踊る。

「『柳の舞』」

ふわり、風に揺れる柳の様にスクアロはローザスの糸を華麗に避ける。

ゆっくりと舞う中で、スクアロは地面に魔方陣を描いていた。

「彼女を捕縛なさい『深緑の足枷』」

地面から芽生えた植物のつるがローザスの足に絡み付きながら、早送りでもされたかの様に急速に成長していく。

植物は太い幹を成してもローザスから離れることなく、その頑丈な幹の中にローザスを閉じ込めてしまった。

「「「終わりだな。」」」

孔気刀を作り出したカムイ、オスカーそしてハイマンスが同時に襲い掛かる。

身動きの取れなくなったローザスに躊躇うことなく3つの刄が振り下ろされた。




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