廃陸の旅団

「くっ……私を護りなさい『サクリフィカル・マリオネット-骨肉の操り人形-』」

身体を幹に埋め込まれ身動きできないローザスであったが、繊細かつ迅速な遠隔孔気操作で操り人形を作り出し、自らの盾とした。

ローザスを切るはずだった刄が操り人形に触れると、微細な糸が孔気刀に絡み付く。

「ちっ、これだからスリンダーは嫌ぇなんだよ!!」

絡み付いた糸は刄を伝い、持ち主であるハイマンス、オスカー、カムイの身体をもを巻き取ろうと伸び。

3人は仕方なく剣を手放し距離をとった。

「肩のこる呪縛ね……『レイライン-仕組まれた発火-』」

ローザスは自らの身体に火炎を纏い、スクアロの作り出した植物を焼き払ってしまう。

その時に発生した黒い煙を掻き分けジンが鎖を放っていた。

「『結鎖・氷狼陣』」

描きだした魔方陣がローザスを包み、超零度の空間を生み出す。

厳冷の空間に現れた白い狼がローザスを見つめうなり声を上げる。

「邪魔なワンちゃん達ね……『サブリメイション-強制昇華-』」

ジンの魔方陣に重ねてローザスが魔方陣を描く。

その瞬間。

氷で出来た空間も狼も何もかもが、溶けるでもなく気体となり霧散してしまった。

「はぁ……流石に7人相手に戦うのはしんどいものね。仕方ない……まずは雑魚から片付けてあげる。」

急に踵を反したローザスが一直線にマールへと向かう。

糸による捕縛を避ける為に打撃攻撃しかできないマールは、後方で待機していた為に誰も援護ができる状態にはなかった。




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