廃陸の旅団
「四つ目は『銃曹士"ガンマー"』。前線ででも後方支援としても活躍する。重機の扱いに長けた職務だ。」

カムイはレッド・スフィアを渡してくれた、クルー少佐のことを思い出していた。

あの時、アストンを脅していた銃を見る限り、きっと彼女はガンマーなのだろう。

「そして『糸線士"スリンダー"』糸やピアノ線などを使う暗殺専門の職務。ちなみに隊長は私だから、半端なことをしようもんなら……」

ローザスは直接には言わなかったがカムイやリリーには、半端なことをしたらどうなるかが分かっていた。

なんせ先程、ニーガル自らそれを教えてくれたのだから。

そこで2人は強く思うのだった。

この人(ローザス)には絶対に逆らわないでおこう。と――



「さて残りの三つだが、少々特殊な職務になっている。一つ目は『工学士"エンジェニアー"』研究員として軍に在席する非戦闘員で主にマルテリウムの研究をしている。」

カムイの夢、天空高く飛び立つ船を造る技術もきっと軍ならば持っているとカムイは確信していた。

だからこそアブソリュートに入り、最短ルートでB.A.S.E.に入隊しようとしていたのだから。

空を見上げたカムイの顔にローザスは逞しさを感じて、わずかに微笑む。


「二つ目は『舞踏士"ダンサー"』。祭のさいに祭司として演舞をするのが主な務めだが、非戦闘員と思われているその実、戦いの時には華麗な乱舞で前線にて活躍する。」
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