廃陸の旅団

徐々に徐々にその差が現れ始めた。

両者の中央でせめぎ合っていた術が片方へと進み始めたのだ。

「おいおい、マジふざけんなって。」

「そんな、この6人の最高クラスの術を以てしても押し負けるなんて!!」

ジリジリと押し戻される術をどうにか食い止めようとするが、そのスピードは確かに増していた。

「流石は"緑孔"の使い手ってか?」

「くそ、負けるわけにはいかないんだよ!!」

カムイの叫びが天空にこだまする。

その時、6人の足元に魔方陣が現れ、そこから淡い光が溢れだした。

「これは……スクアロ。」

ハイマンスとオスカーだけがそれを理解していた。

「皆さん最後の力を振り絞ってください。私も微力ながら皆さんの力となります『フェアリー・サークル-聖界の燈-』」

僅かだが確かに溢れ出る力。

『フェアリー・サークル』はスクアロ固有能力『エーテル』を強制的に複数人の対象にかける術である。

そのフォース消費量と生命力の消費量は尋常ではなく、正に生命を削り扱う術なのだった。

「おのれ……私が、私が最強の力を手に入れるの。邪魔をするんじゃないわ!!!!」

怒号と共に更に力を増すローザスの術。

「くっ、あんたなんかに世界は壊させないんだから!!」

「そうだ。退いとけババア!!」

皆、限界までフォースを振り絞りこの一撃に全てを込める。

7人の力が1つになった時。

せめぎ合っていた均衡は崩され、巨大なフォースの塊としてローザスを飲み込んだ。





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