廃陸の旅団
エターナル・スフィアを吸収したローザス。
その身体はみるみるうちに原型を止める事無く歪んでいった。
筋肉はありえないほどに盛り上がり、浮かび上がった血管が視認できるほどに挽きちぎれる。
目は剥き出しとなり、口が裂ける。
ゴキゴキと不快な音をたて骨格が歪んでは人間とは別の生きものに変わっていくようだった。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙…」
唸るような声をだし、ローザスは痛みにのたうち回る。
その内唾液が口からボタボタと零れ、背中からは翼のような突起した剥き出しの骨が生え、剣の様に鋭く尖った尾が七本はえてきた。
異様な光景に誰もが声を失い、身動き一つ取れなかった。
「ローザス何故だ……」
あまりの恐ろしさにハイマンスやオスカーでさえ身動きをとることができない。
いったいどれくらい経ったのだろうか。
いや、ほんの僅かな時間だったのだが、その光景は何十時間も続いていたかのように感じた。
翼が生え、人間とは全く別の怪物となったローザスからはありえない量のフォースがあふれだしていた。
その力はすでにこの世界の頂点にたっている。
ハイマンスの莫大なフォースですら今のローザスに比べたら話にならない。
「ヷタシバ…ザイキョヴノ…チカラ…テニイレダ。」
痰のつまったような擦れた低い声はローザスの声ではなくなっている。
ローザスは遥か高見から七人を見下ろす。