廃陸の旅団
各地に散らばっている軍の者達が一同にケルセウム郊外に集まった。
ハイマンスは生き残った兵士に改めて言うことがあったのだ。
「もう、知っているだろう。エターナル・スフィアは奪われ、我らの総本部アンバー・タワーは墜ちた。もはや今の軍に世界中の民を束ねる力などなくなってしまった。」
ハイマンスは一旦話を区切ると爆煙の名残のような薄暗い雲に覆われた天を見上げる。
兵士達もつられるようにして灰色の空を見上げた。
「……分かるだろう?もはやこの世界はローザスの手に堕ちたのだ。ローザスはヴァルハラへと向かった、もし辿り着いたならこの世界を破壊するだろう。」
不気味なことに薄黒い雲の切れ間からは、一筋の光すらも射さない。
「それはもう間近かもしれない。だがしかし無論私達は諦めるつもりはない。今まさにヴァルハラへと向かう準備をしている。」
ざわついた兵士を沈めることなくハイマンスは話し続けた。
「もし、私達がローザスに負ければ世界は崩壊する。その可能性は高い。だから君たちは大切な者の元へと帰りなさい。君たちの帰りを待っている家族や恋人、親友の元へ。」
微かだが啜り泣くような声が聞こえた。
自分の腑甲斐なさを嘆く者。
世界の終幕にただ悲嘆する者。
「今ここに国家連合軍の解散を宣言する。今まで世界の為に力を尽くしてくれて、ありがとう。」
ハイマンスは深く頭を下げ、敬礼をした。
集まっていた者が敬礼を返す。
誰よりも長く、ハイマンスは敬礼を止めようとはしなかった。
ハイマンスは生き残った兵士に改めて言うことがあったのだ。
「もう、知っているだろう。エターナル・スフィアは奪われ、我らの総本部アンバー・タワーは墜ちた。もはや今の軍に世界中の民を束ねる力などなくなってしまった。」
ハイマンスは一旦話を区切ると爆煙の名残のような薄暗い雲に覆われた天を見上げる。
兵士達もつられるようにして灰色の空を見上げた。
「……分かるだろう?もはやこの世界はローザスの手に堕ちたのだ。ローザスはヴァルハラへと向かった、もし辿り着いたならこの世界を破壊するだろう。」
不気味なことに薄黒い雲の切れ間からは、一筋の光すらも射さない。
「それはもう間近かもしれない。だがしかし無論私達は諦めるつもりはない。今まさにヴァルハラへと向かう準備をしている。」
ざわついた兵士を沈めることなくハイマンスは話し続けた。
「もし、私達がローザスに負ければ世界は崩壊する。その可能性は高い。だから君たちは大切な者の元へと帰りなさい。君たちの帰りを待っている家族や恋人、親友の元へ。」
微かだが啜り泣くような声が聞こえた。
自分の腑甲斐なさを嘆く者。
世界の終幕にただ悲嘆する者。
「今ここに国家連合軍の解散を宣言する。今まで世界の為に力を尽くしてくれて、ありがとう。」
ハイマンスは深く頭を下げ、敬礼をした。
集まっていた者が敬礼を返す。
誰よりも長く、ハイマンスは敬礼を止めようとはしなかった。