廃陸の旅団
鮮やかな舞と伴に繰り出される鋭い扇の太刀。

加えてダンサーの真骨頂とも言える蹴撃がマールを襲う。

「どうしました?目ですら私の動きを追えていないじゃないですか。」

流れる様な円舞はうっすらと残像を残してはマールの視界から消えていく。

「フォース使いなら分かっていますよね?フォースとは自身がダメージを負えば負う程に力が弱まるということに。このままでは半日も持ちませんよ!!」

刹那。

ールは腹部に強大な圧迫感を感じる間もなく、壁まで蹴り飛ばされた。

「話になりませんね。あなたはヴァルハラどころかオーバー・プラネットに行く資格もないのかもしれません。」

スクアロはそう冷たく言い放つと部屋を出ていこうとした。

「…さいよ。」

マールが何か言ったのでスクアロは振り返える。

「待ちなさいよ!!」

スクアロは驚愕した。

今までに他人の独自の術など幾百と目にしていた。

しかし今目の前で、今し方見切りをつけたはずの少女がなぜこれほどまでに完成した術など持っているのか。

スクアロには理解できなかった。

「スクアロ、これからが本番でしょ?誰も私に触れることはできない『ディバイン・プロテクション《神の守護》』」



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