廃陸の旅団
スクアロが何度攻撃してもマールに届くことはない。

それだけマールの防御力が特化したのだ。

「守りが堅くなっただけでは意味がないのだと分からないのですか。これではさっきまでとおな…!!」

今までスクアロの動きに微動だにできていなかったマールが僅かに反応した。

攻撃を出せば出すほどに少しずつ早く、僅かに正確さを増し反応するようになった。

そして半日が経った時、遂にマールはスクアロの蹴りを自ら受けとめた。

「素晴らしい反応です。それでは次は少し速くしますよ。」

そう言うとスクアロの動きがまた速度を増した。

まるで挟み撃ちで攻撃を受けているのではないか。

と錯覚するほどに素早く、一撃目と真逆の方向から二撃目が同時に飛んでくる。

(私の想定ではこの速度は三日目以降になるはずだった。もしかしたら明日には私も本気を出さなければならなくなるかもしれない…なっ!!)

なんと僅か数分で、マールはスクアロの同時攻撃を受けとめてしまった。

「驚くべき伸びの早さです。次は私も本気を出します。その術は絶対に解くことのないように。では…いきますよ。」
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