廃陸の旅団
「――『隼の舞』。」
その時マールの視界に写ったのは、自由自在に空を飛ぶ隼が如きスクアロの舞。
觜でついばむように、噛み砕く様に打撃し。
空を飛ぶように、湖面を跳ねるように優雅に動く。
「なによこれ……人間の動きじゃない……!!」
ディバイン・プロテクションの上から攻撃を受けたのにも関わらず、マールの身体がズレる。
「では、これはどうかしら『銀獅子の舞』」
正に獅子の爪の如く鋭くまがまがしい斬撃。
華奢なスクアロが獣王の様なプレッシャーを纏いながら遅いくる様に、マールは無意識の内に後方へと飛ぶ。
「――うそっ……。」
瞬く間に距離を縮めていたスクアロの攻撃が、わずかにマールをかすめた。
それは絶対防御であるマールのディバイン・プロテクションを破りマールの腕にわずかだが確かに爪痕を残していたのだった。