廃陸の旅団
アストンは弓を放つと、遥か後方にまで蹴り飛ばされていった。

いくらオスカーであっても足の届く距離から放たれた弓を避けることができるはずがない。

そう確信しアストンは一言つぶやいたのだ。

アストンは腹部の激痛に身悶えながらも上半身を起こした。

「よくやった。」

いつのまにか目の前に立ちはだかるオスカー。

オスカーの右肩からは矢が貫通した痕跡があり、流血していた。

「頭を狙うか、肩を狙うかで躊躇したようだな。だから甘ぇんだよ。捨て身で好機を作る場合はそれがラストチャンスになる、だったらその一発で相手を仕留めるのは当たり前だろうが。」

オスカーはアストンに手を差し伸べる。

アストンはそれを握り返し起き上がる。

「っても、まぁ。あの時お前が頭狙ってたらオレ様がお前を殺してたけどな。がっはっは。」

「す…少しも笑えませんよ。」
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