廃陸の旅団
虹を越えた先〜オーバー・プラネット〜
アストンがオスカーに一撃をみまいしたころ。
カムイとハイマンスの戦いが幕を開けようとしていた。
「ハイマンス。一つだけ聞きたいんだけど。」
カムイがそう切り出すとハイマンスは無言でカムイを見た。
「今の俺たちではエターナル・スフィアを吸収したローザスに勝てないのはわかる。だからって一週間特訓してボロボロの状態でやっても意味がないんじゃないのか?」
カムイの言葉をハイマンスは鼻で笑い飛ばすと冷たく言い放つ。
「勘違いはしてくれるな。これはお前達を強くする為ではない。お前達がオーバー・プラネットに踏み入るだけの資格があるかを見るための戦いなのだ。」
ハイマンスは軍服の上に羽織ったコートを脱ぎ捨てる。
「分かるか?お前は何も考えず必死で私にオーバー・プラネットに向かうだけの資格があるかを見せれば良いのだ。」
足手纏いはいらない。
その意味を悟りカムイの闘志に火がついた。
「そうかい。前にやられた借りもあるしね、ぶっ飛ばしてやる!!」
「そうだ。私を殺す気でこい。でなければ……死ぬぞ。」
ハイマンスの手元が一瞬光を放ったかと思うと光速の矢がカムイ目がけて放たれた。