廃陸の旅団
「ノーモーション、しかも片手で二本の矢を連射。流石はアーチャーでも最高峰の技術を持つとされるだけのこはあるが…僅かに逸れている。」

極微妙に、放たれた矢はカムイの急所から逸れていた。

それを見切りカムイは左前方に避ける。

「……しまった!!わざと逃げ道を作るようにして放ったんだ。だとしたら。」

カムイは踏み出した足が地面に着くよりも素早く孔気刀を作り出した。

そして踏みだした足が地面に着いた、刹那。

目の前で待ち構えていたハイマンスの洗練された孔気刀での斬撃がカムイを襲う。

うまく受けとめたカムイだったが斬撃を受けるのが精一杯で下半身への注意が疎かになった。

そこをハイマンスは見逃すほどお人好しではない。

型にピッタリとはまった足払いはカムイを軽がると引っ繰り返してしまう。

「掻き消せ『スーパーノヴァ-新星爆発-』」

倒れざまにハイマンスの呪術がカムイに非情にも襲い掛かる。

巨大な爆発は周囲を飲み込み弾け飛ぶ。

豪快な爆発音と目も眩む閃光がおさまると、そこにはカムイの姿はなかった。
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