廃陸の旅団
カムイは小さな時に父親がフォース操作の練習をしていたのを思い出した。
結局フォース操作はものに出来ず父親はサーベラーの試験に落ちた。
「そうだ。体内の核細胞を全て開く。」
父親が口ずさんでいた言葉を思い出しながらカムイは呟いた。
集中してみて初めてカムイは気付いた。
自分は黒いのだと。
あの時見た父親の核は全てがフォースを発し、父親は白く光っていた。
カムイはまだ己の力の半分すら出せてはいなかった。
カムイの身体が白く輝くと地面がフォース圧に揺れた。
「そして体中に巡ったフォースを右手のみに集中。」
そして全フォースを右手に集中すると電気が発生したかのようにカムイの周りの空気が焼けていった。
「空間に拡散しようとしているフォースをまんべんなく包むイメージで掌に留め、最終的なイメージの形へと…」
荒れた水面が静けさを取り戻すように、カムイのフォースが楕円形に波打ちながら掌の上で集約した。
「爆発、形成する!!」
大きな爆発が強い風を生み出し、ハイマンスの髪を揺らした。
風はカムイの右手に吸い込まれるように止む。
そしてカムイは手にした。
今までと形は同じだが違う。
「孔気刀の色が変化した!?」
右目の光を反射したかの様に、エメラルドの様な透き通った光を放つカムイの孔気刀。
ソレを見たハイマンスの表情が変わった。
「緑孔の孔気操作だと……!?まさかローザスを超える、緑孔の使い手だとでもいうのか。」
カムイはゆっくりと翡翠の様に美しい刀を構える。
「いくよハイマンス。」