廃陸の旅団
「オスカー。何故に双剣が最高の流派と呼ばれるか分かるか?」
オスカーを見つめる鋭い眼光。
「そりゃあ攻撃と防御を一度に出来るからだろう。違うのか?」
「否だ。それならば単に攻撃と防御とを複数人で分担すれば良いだけの話。」
「じゃあ何でだよ……?」
オスカーに双剣の理を説く老人。
8代目双剣にして、最強と謳われた今は無き師・シーファリオン。
「双剣が最高の流派と呼ばれる理由それは……同時に2人の仲間を守る盾となり、同時に2つの敵を貫く矛となれるからじゃ。」
「……?あんたから習った技は全て攻防一体の単戦用のものだったろう。」
シーファリオンは真っ白な双剣を構える。
その威圧感は普段のそれの比ではなく、オスカーの顔色が一瞬にして変わるほどだった。
「これから見せる技はワシが独自に双剣術を昇華させたものだ。見極めろ、できなければ死ぬ。それだけのこだがな――!!」
「……っとに、信じらんねぇ鬼畜ジジイだな。」
ゴッ。と辺りに轟音と爆風が広がり、四方三里の木々がドミノ倒しの様に倒れていった。