廃陸の旅団
「サーベラーの試験は単純明快。制限時間内にオレに一撃入れれば合格だよ。ニーガル先輩ほどではないけどオレもまぁ腕はたつ方だから遠慮はいらねぇよ?」
少しソニアはおちゃらけるのだがすでにカムイは戦闘態勢に入っている。
そんな様子を見たソニアも、ようやく真剣な顔を見せた。
「なーるほど。始めっから気を抜くつもりは一切なしか……おもしれぇ。」
立会人のローザスが2人を見守る。
ローザスが腕を振り上げたのを合図に二人は同時に孔気刀を作り、全く同時に飛び出した。
『キィィィン』
二人の激しい斬撃が音をたてて弾ける。
力は互角。
2人の腕が後方に弾き返され、また2人は剣を振りかざす。
どちらにも攻撃がかすりもしない。
まさにスピードとスピードの戦い。
観戦していた者達も息を呑んで、その戦いを見届けていた。
「すげぇなあの少年。ソニアのスピードに食らい付いてるよ。」
「というかソニア本気じゃないか?微塵も手加減なんかしてない顔だよあれ。」
円状に創られた闘技場を2人は縦横無尽に駆け巡り、僅かでも相手の隙を見つけたら、一瞬にして斬り掛かる。
『キィィィン、ガキィィン』
いつまでも2人の剣が弾ける音が響き続けた。
そして双方に決定的なダメージもないままに時間が過ぎていく。