廃陸の旅団
泥沼の愚者
スクアロの入った空間はじめじめとしていた。
狭く暗い水路の様な道にはわずかな光を放つロウソクが揺らめいている。
「…なるほど。」
少し歩くと地面が岩から泥へと変わった。
歩くごとに足が沈んでしまうほどに柔らかい。
「あなたが私の相手ですか?随分と変わっているのですね。」
沼からゴポゴポと音を立てながら現われた女性。
その肩からは両方に三本ずつの手が生えている。
通常の腕を合わせると八本の腕がしなやかな体から生えているではないか。
「ふふ。アタシはアクトパス・ローザス。間違ってもタコ(オクトパス)だなんて言うんじゃないわよ。」
アクトパスは八本の手で一斉に投げキッスをした。
「無駄話をしている暇はありません。来なさい。」
スクアロが扇子を構えてそう言うとアクトパスはクスリと笑った。
「やだ何をそんなに焦ってるの?不利な場所だからって焦っちゃダメよ。」
ずぶずぶと埋もれていく足は上手いこと踏張ることができない。
それはダンサーであるスクアロにとっては決して良い条件とは言えなかった。
「無駄話をする気はない。と言ったでしょう。」
スクアロは泥道を苦にすることなく飛び出し舞を踊るように蹴撃を繰り出した。
狭く暗い水路の様な道にはわずかな光を放つロウソクが揺らめいている。
「…なるほど。」
少し歩くと地面が岩から泥へと変わった。
歩くごとに足が沈んでしまうほどに柔らかい。
「あなたが私の相手ですか?随分と変わっているのですね。」
沼からゴポゴポと音を立てながら現われた女性。
その肩からは両方に三本ずつの手が生えている。
通常の腕を合わせると八本の腕がしなやかな体から生えているではないか。
「ふふ。アタシはアクトパス・ローザス。間違ってもタコ(オクトパス)だなんて言うんじゃないわよ。」
アクトパスは八本の手で一斉に投げキッスをした。
「無駄話をしている暇はありません。来なさい。」
スクアロが扇子を構えてそう言うとアクトパスはクスリと笑った。
「やだ何をそんなに焦ってるの?不利な場所だからって焦っちゃダメよ。」
ずぶずぶと埋もれていく足は上手いこと踏張ることができない。
それはダンサーであるスクアロにとっては決して良い条件とは言えなかった。
「無駄話をする気はない。と言ったでしょう。」
スクアロは泥道を苦にすることなく飛び出し舞を踊るように蹴撃を繰り出した。