廃陸の旅団
「あらあら。可愛い顔なのにそんなに力を入れたら台無しじゃない。」

アクトパスは通常の腕だけを使ってスクアロの蹴りを防いでいく。

スクアロも負けじと扇子も併せて連携攻撃を仕掛けるのだが、やはり足場が悪くいつも通りの舞ができないでいた。

「うふふ…そんなん舞じゃダ・メ・よ。」

アクトパスはスクアロの舞を完全に見切り、蹴りこまれたスクアロの足を掴んだ。

「ふふ。細くて綺麗な足。良いわぁ。欲しくなっちゃう。」

「くっ、離しなさい!!」

スクアロはアクトパスから足を振り払う。

「あらやだ。恥ずかしがっちゃって。もう諦めたら?さっき気付いたと思うけどこの足場じゃ結界も描けないでしょ?」

スクアロは舞を踊る際に、その軌跡に結界を描く。

しかし下が泥だと跡は自然と消えてしまい結界を描くことができないのだ。

「ね?終わりにしましょ?」

にやりと不気味な笑みを浮かべたアクトパスの八本の手が刄に変わる。

そしてゆっくりとスクアロに近づいていく。

「舐められたものですね。」

「え?」

スクアロはらしくない強く怒りに満ちた表情をしていた。

「アーカーを舐めるなタコが。」
< 494 / 583 >

この作品をシェア

pagetop