廃陸の旅団

どうしたことだろうか水分に満ち足りた沼が少しずつ乾いていく。

「この世に在る万物には必ずフォースが宿っています。今わたしは沼の水にフォースを分けました。フォースとは生命エネルギーつまり熱。水は自ずと気化していく。終わりにしましょう。」

足場が乾くとスクアロの舞のキレが増した。

アクトパスは八本の腕を使い防御するが、それも次第に間に合わなくなっていった。

一撃。

また一撃とスクアロの攻撃がアクトパスに直撃する。

そして。

描ききった結界が発動する。

「終わりです『エイネス・ヘルシーバ〈閻魔の抱擁〉』」

結界が暗く光り、暗雲が辺りに立ちこめていく。

その雲がアクトパスを完全に包み込もうとした瞬間。

なぜか一気に消えてしまった。

「な、何故?」

アクトパスはクスクスと口を押さえながら笑った。

「結界。描ききれてないわよ、お嬢ちゃん。」
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