廃陸の旅団
「…雷魔の抱擁。天栽の粛正。冥負の天秤。巻き起これ『ﾍﾙｻｲｽﾞ･ｽﾊﾟｰｸ〈地獄の雷〉』」

まるで地獄から沸き上がる様に、バットの真下の地面から黒い雷が舞い上がりバットを飲み込んだ。

轟音と共に強烈な閃光を放つ雷は標的を焼き払うと地獄へと戻っていった。

黒焦げになり地面に倒れていたバットのすすが少しずつ空に舞った。

「まったく何てことをしてくれるのですか。」

信じられないことにバットは生きていた。

どんどんとバットに付いたすすが落ちていくと、バットは火傷一つしていない。

「オレの可愛いコウモリ達を丸焼きにしてくれて…どう償うおつもりですか？」

バットは雷に飲み込まれた時にコウモリを身に纏い防いだのだった。

ﾊﾞｷｺﾞｷｯと不快な音が響いたかと思うと、今度は本当にバットの背中からコウモリの羽が生えてきた。

「まだあらがうのか。」

「コウモリの仇め…死んで償え。」

バットは飛翔し、ハイマンス目がけて突進した。

ハイマンスは一瞬にして孔気刀を作り出し受け流す。

「…古の焔よ焼き尽くせ『ﾐﾗｰｼﾞｭ･ｴﾝﾍﾟｽﾄ〈蜃気楼の古城〉』」

超高温に熱せられた空気が真っすぐにバット目がけて解き放たれた。

バットは超音波の壁を作り出し炎をかき消した。
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