廃陸の旅団
その音はまるで音叉のように反響しあい増幅していく。

「うぐ、あがぁ。何だこれは頭が割れる。ぐぁぁぁっあ…」

バットは超音波に耐えられず地面に着陸、崩れ落ちた。

「音叉の社。社には主がいる。主とは仏。仏とは先祖。つまり私だ。そして貴様に裁判を下すのも。」

ズバッと一直線にハイマンスはバットを切り裂いた。

一撃でバットの息の根は絶えた。

「すまない。私は…孫を殺したのか。そうか…」

ハイマンスは勝利の喜びなど微塵も感じることはなく、その空間から出ていった。
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