廃陸の旅団
「あんたリリーじゃない。リリーが生きているはずがない。」

マールはリリーをｷｯと睨む。

リリーはくすりと笑い言う。

「確かに私は一度死んだ。でもローザス様が私を蘇らせてくれたの。」

そんなこと信じない。

というマールの目にリリーは続けた。

「カムイやニーガルさんと旅した時の記憶だってあるのよ？マールちゃんと教会の掃除をしたのだって覚えてる。」

アンダーワームを退治した後。

マールは掃除を抜け出したことにより罰として教会の掃除をさせられた。

その時リリーはそれを手伝ったのだ。

そのことをローザスが知っているはずがない。

リリーの言葉を信じてしまいそうな自分がいることにマールは気付いた。

「本当にリリーなの？」

マールのその問いにリリーは笑顔で頷いた。

「ねぇマールちゃん。私達って友達だよね？私ねしなきゃいけないことがあるの。だから…」

ｽｯと音もなくリリーが消える。

そしていつのまにかマールの背後へと移動した。

「ここで死んで。」
< 505 / 583 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop