廃陸の旅団
ｺﾞｫｯｯと轟音が響き渡るのと同時に空間中に暴風が発生した。

「………。」

暴風が止むとそこにはマールの姿がなかった。

「何で避けちゃうの？」

リリーは笑顔のままだ。

後ろを振り返り、間一髪で回避したマールを見つめる。

「リリー何で…」

もしかしたら。

そう考え『ﾃﾞｨﾊﾞｲﾝ･ﾌﾟﾛﾃｸｼｮﾝ』をいつでも発動できる状態にしていなかったらマールは死んでいた。

マールの問いにリリーはあっけらかんと答える。

「何で…って。私はB.A.S.Eの一員。あなたは廃陸の旅団の一人。私があなたを殺すのは当たり前じゃない。何を不思議そうにしているの？」

リリーは銃を取り出すとマール目がけて発砲した。

マールの眉間の数ｾﾝﾁ手前で弾丸は勢いを失い、地面に落ちた。

「リリー…本気で私を？」

リリーの繰り出す攻撃を完全に遮断するマール。

攻撃を受けながらも親友であった彼女を疑うことができないでいた。

「防御なんかしたら殺せないでしょ？『ﾀｰﾋﾟｭﾚﾝｽ』」

乱気流はマールを飲み込み尚も力を増し空間中で吹き荒んだ。
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