廃陸の旅団
｢ふーん？まぁ言うは易しってね。だったらオレの動きを捕らえてみせなよ!!｣

影縫いを出してからは一方的にカムイが攻められるようになった。

視界から消えた瞬間に背後からの一撃が来る。

そう分かっていてもさすがに閃光と呼ばれるだけの剣客である。

まさに光速の剣さばきは、簡単にﾀｲﾐﾝｸﾞを掴ませてなどくれない。

ほんの数分のうちにカムイは剣で受けた傷だらけになっていた。

「ったく……ソニアの馬鹿目が試験だというのに影縫いまで出しおって。これでは試験にならないではないか。」

そう感じたローザスの心配とは裏腹に、カムイは言い放つのだった。

｢もう、止めた方がいいですよそれ？ﾀｲﾐﾝｸﾞは完璧に掴ませてもらいましたから。｣

｢面白い実際にその剣で捕らえてみせろ。｣

カムイの視界からソニアが消える。

背後にソニアがきてから零コンマ三秒。

その僅かな時間にタメをつくることでカムイは完璧なﾀｲﾐﾝｸﾞでそれをやってのけた。

｢とうとう捕えた!!｣

観客からそんな声が沸き上がる。

そしてカムイの攻撃がようやく届いたと思われた刹那。

｢残念。こっちだ。｣

｢な……に……？｣

またも背後から一撃をくらい、カムイは力なく地面に倒れこんだ。



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