廃陸の旅団
右手には凍てつく氷の刄をようする"氷の剣"を。

左手には白く渦巻く刃に水色のつかをようす"空の剣"を持っていた。

二つの剣はまるで竜の様で、すでに完成されていた。

オスカーも自身の本当の孔気武具である紫色の二対の剣を取り出した。

一瞬。

ニーガルの視界がぼやけたかと思うと、二人の剣と剣の衝撃で突風が吹き荒れた。





ニーガルの目の前に立つジンの手には"氷と空の剣"があった。

「なぜ貴様がその剣を持っている!?まさか…」

幼い頃の記憶はさらに鮮明さを増し、その少年の容姿や名前を思い出させた。

「思い出したぞ。貴様はオスカーにより正当に"双剣"の名を継いだにも関わらず断り、自身で"氷空"という名を使うことを選んだ。私は貴様の代わりに"双剣"の名を授かった代用品でしかない。」
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