廃陸の旅団
顔を歪め怒りをあらわにするニーガルにジンは言う。

「代用品だなんて言うなよ。オレはアンタの努力を目の当たりにしていたから、自分よりもアンタが"双剣"を名乗るのが正しいと思っただけだ。」

それでもニーガルの怒りは納まらない。

むき出しにした闘士を一挙に込め、その洗練された剣撃をはなつ。

「黙れぇぇっ『双牙斬』」

上下同時の斬撃がジンに届こうとした時、それは氷の刄にはばまれる。

「…『氷狼・双牙斬』」

ジンの刄は周囲の水分を結晶化しながらニーガルに襲い掛かる。

その軌跡には氷の花が舞った。

「くっ…まだまだぁっ『トワイライト・レクイエム』」

混沌の刄は周囲の全てを破壊し切り刻みながらジンへと向かっていく。

「分からないのか?『飛空・黄昏の鎮魂歌』」

ニーガルの太刀は一瞬にしてかき消され、それでもなお突き進むジンの太刀がニーガルに襲い掛かる。

壁にまで吹き飛ばされたニーガル。

その喉元にジンの氷の刄が突き付けられる。

「あんたじゃオレには勝てない。」
< 518 / 583 >

この作品をシェア

pagetop