廃陸の旅団
僕は傍にいる
「見てごらんカムイ。あれが虹だよ。」
空に掛かる七色のアーチを指差し、柔らかな笑みを浮かべる。
カムイはそんな父が大好きだった。
「虹なんていらないやい。何にもないお空が一番きれいだよ。」
カムイはふてくされたようにそっぽを向き、そう言った。
そんなカムイを見て父はまた笑みをこぼした。
一瞬。
風が吹いたかと思うと辺りが薄暗くなっていく。
それはどんどんと澄み切っていた空を侵食し、闇が空を覆っていく。
カムイは父を見失わぬように目を懲らした。
父に届くようにと手を伸ばした。
その手にすら巻き付いた闇に引きずられるようにカムイはそこへと行き着く。
空に掛かる七色のアーチを指差し、柔らかな笑みを浮かべる。
カムイはそんな父が大好きだった。
「虹なんていらないやい。何にもないお空が一番きれいだよ。」
カムイはふてくされたようにそっぽを向き、そう言った。
そんなカムイを見て父はまた笑みをこぼした。
一瞬。
風が吹いたかと思うと辺りが薄暗くなっていく。
それはどんどんと澄み切っていた空を侵食し、闇が空を覆っていく。
カムイは父を見失わぬように目を懲らした。
父に届くようにと手を伸ばした。
その手にすら巻き付いた闇に引きずられるようにカムイはそこへと行き着く。