廃陸の旅団
「あんたやっぱりラクト・フロストマンだな?」
カムイの問いにラクトはため息をはき、そしてまた笑みをこぼした。
その刹那、カムイはラクトの姿を見失う。
あまりの素早さにカムイは面食らってしまう。
一瞬にして縮められた間合いはガード以外を許さない。
ただ受けることしかできぬままにカムイは壁際へと追い詰められてしまう。
「私のことはラクトと呼びなさい。でなければ悪い子にはおしりペンペンだよ。」
間もなくカムイの背後へとまわるラクト。
カムイは振り返りぎわに一太刀あびせようとしたのだが、いとも簡単に避けられてしまう。
「なぁに遠慮することはないよ。どうせ死に逝く命だ、せいぜい無駄な足掻きとやらをするといい。」
また視界からラクトが消えたかと思うと、スパッと音をたてて孔気刀が切り裂かれた。
カムイには信じられなかった。
いつも目の前にいた父親は優しげに笑い、少し頼りなくてでも一生懸命に世界を守ろうとしている。
そんな人だったのだ。
しかし今目の前にいる人物は、冷酷なまでに残酷で、反則なまでに強い。
カムイにはこの二人がどうしても同一人物には思えなかった。
カムイの問いにラクトはため息をはき、そしてまた笑みをこぼした。
その刹那、カムイはラクトの姿を見失う。
あまりの素早さにカムイは面食らってしまう。
一瞬にして縮められた間合いはガード以外を許さない。
ただ受けることしかできぬままにカムイは壁際へと追い詰められてしまう。
「私のことはラクトと呼びなさい。でなければ悪い子にはおしりペンペンだよ。」
間もなくカムイの背後へとまわるラクト。
カムイは振り返りぎわに一太刀あびせようとしたのだが、いとも簡単に避けられてしまう。
「なぁに遠慮することはないよ。どうせ死に逝く命だ、せいぜい無駄な足掻きとやらをするといい。」
また視界からラクトが消えたかと思うと、スパッと音をたてて孔気刀が切り裂かれた。
カムイには信じられなかった。
いつも目の前にいた父親は優しげに笑い、少し頼りなくてでも一生懸命に世界を守ろうとしている。
そんな人だったのだ。
しかし今目の前にいる人物は、冷酷なまでに残酷で、反則なまでに強い。
カムイにはこの二人がどうしても同一人物には思えなかった。