廃陸の旅団
「刀をお引きになってください。役者も揃っていないのに劇を始めるのは無粋というものですわよ?」
少しの間、ローザスと睨み合うハイマンスだったが孔気刀を収めた。
「とは言っても最後の役者はここには来れないでしょうけどね。」
ローザスの言葉を聞いたマールが、カムイのいるであろうトンネルに向かおうとするのをジンが止めた。
「カムイを信じろマール。あいつがこんなとこで死ぬわけがない。」
ジンの言葉に落ち着きを取り戻したマールが頷く。
「ふふ、信頼し合っているのね。美しいわ。美しすぎて…反吐が出る。」
憎悪に満ちた孔気が向かう場所もなく吐き出される。
伝わってくる孔気圧で押し潰されそうになる。
「あら?いやだわ…ついつい興奮しちゃいましたわ。」
崩れた顔を直し、ローザスがまた笑顔を繕うと辺りに放たれた孔気が沈んだ。
「だめね。体が疼いて疼いて…カムイが来る前にみんな殺してしまおうかしら。ダメよ。そんなことしたら楽しみが減ってしまう。押さえるのよ…押さえるのよ…」
ローザスの身体から煙のように黒い孔気が沸き上がりはじめた。
少しの間、ローザスと睨み合うハイマンスだったが孔気刀を収めた。
「とは言っても最後の役者はここには来れないでしょうけどね。」
ローザスの言葉を聞いたマールが、カムイのいるであろうトンネルに向かおうとするのをジンが止めた。
「カムイを信じろマール。あいつがこんなとこで死ぬわけがない。」
ジンの言葉に落ち着きを取り戻したマールが頷く。
「ふふ、信頼し合っているのね。美しいわ。美しすぎて…反吐が出る。」
憎悪に満ちた孔気が向かう場所もなく吐き出される。
伝わってくる孔気圧で押し潰されそうになる。
「あら?いやだわ…ついつい興奮しちゃいましたわ。」
崩れた顔を直し、ローザスがまた笑顔を繕うと辺りに放たれた孔気が沈んだ。
「だめね。体が疼いて疼いて…カムイが来る前にみんな殺してしまおうかしら。ダメよ。そんなことしたら楽しみが減ってしまう。押さえるのよ…押さえるのよ…」
ローザスの身体から煙のように黒い孔気が沸き上がりはじめた。