廃陸の旅団

緑色の鮮やかなフォースに身を包むカムイ。

その姿を見てローザスの表情が変わった。

「あらぁ……緑孔を手にしたのねカムイ。」

その右の瞳に光は無かったが、更に地か強さを増したフォース。

カムイの到着にハイマンスは僅かに笑っていた。

「役者は揃ったな。さぁ全てを終わりにしようローザス。」

ハイマンスの言葉を合図にそれぞれが戦闘態勢に入った。

そんな様子を見てローザスはにたりと笑った。

「いきます『ホーリーランス』」

アストンの光輝く純白の槍がローザスに向けて放たれる。

ホーリーランスがローザスを直撃しようとしたその瞬間。

「カッッッ!!」

一喝しただけでホーリーランスは消滅させられてしまう。

しかし、ホーリーランスに続くようにしてオスカーが切り掛かっていた。

ゴォァッという風きり音と共に振り下ろされた刃をローザスは避けることなく受けとめた。

あまりにも堅くなっていたローザスの体皮にオスカーの大剣が弾き飛ばされる。

ローザスがオスカーに向かい手で空を切る。

すると当たってもいないのにオスカーの体が遥か後方にまで吹き飛ばされた。

「ハイマンス援護頼む。」

カムイはそう言うとローザスに向かっていった。

カムイを迎え撃とうとしたローザスの腕が何故か途中で動かなくなった。

「私を援護に使うとはたいした小僧だ。」

ローザスの腕に巻き付く細く透明な糸がローザスの動きを止めている。

ハイマンスによってつくられた隙を見てカムイはローザスの懐に潜り込んだ。

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