廃陸の旅団
ローザスの糸はハイマンスにより簡単に弾き飛ばされてしまう。

「もう、止めるんだローザス。」

エターナル・スフィアを消滅させた今、ローザスはハイマンスの敵ではなくなっていた。

「くっ。私は…うぉぉぉぉっ!!」

張り詰めた糸がハイマンスに向け放たれる。

「…切り裂け『ターピュレンス』」

しかし、ハイマンスの作り出した乱気流はローザスの糸をいなし、切り刻んだ。

ローザスは目の前で自らの孔糸がいとも簡単に切り裂かれるのを見て、完全に戦意を喪失したようだった。

ローザスはその場にへたりと座り込んだ。

「オスカー。皆をつれて奥へと向かってくれ。これ以上無駄な争いが起きぬようリダクション・スフィアを破壊するんだ。」

「ああ。………ハイマンス、じゃあな。」

オスカーに引きつられカムイ、ジン、マール、アストン、スクアロは更に奥へと進んでいった。

オスカーが何故ハイマンスに別れの言葉を残したのか、五人がそれを知ることは永遠になかった。


オスカー達が奥へと進んでいくとハイマンスはローザスの傍へと歩み寄った。

「ローザス、いったい何故こんなことを。」

ハイマンスの今までにない優しい声。

ローザスは何も答えない。
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