廃陸の旅団
「しかし、いつしか私はお父様を苦しめてでも私を見てもらいたいと思うようになり。そのためにお父様が危険だと制した力を手に入れようとしたのです。」

ローザスは立ち上がると外へ通じるトンネルへと歩んでいった。

「お父様。私を見ていてくださったこと本当に嬉しかったです。でも、できればもう少し早くあなたとお話をしたかった。さようなら。」

ローザスはそう言うと、あの時のニーガルの様に自己のスフィア暴走をはかった。

しかし、それをハイマンスがローザスを抱きしめ、止めた。

「バカ娘が。こうなったのは全て私の責任だ。私も一緒にお前の罪を償おう。」

ローザスはハイマンスの胸の中で涙を流した。

「ダメですわ、お父様。私の犯した罪は何をしても償えるものではない。私はここで命を絶ちます。」

「そうだな。だが、その時は私も一緒だぞ。もうお前を独りにさせたりはしない。一緒に死のうローザス。」

ローザスは声をあげ泣くと、その声をハイマンスの詠唱がかき消した。

ハイマンスの莫大なフォースが溢れだし、辺りに詠唱がこだましていく。

「さらばだオスカー。そして皆に心からの謝罪を。『イグニッション』」
< 554 / 583 >

この作品をシェア

pagetop