廃陸の旅団

時を司りし者

オスカー達の辿り着いた空間には何もなかった。

ただひとつ中央に石碑の様な物がたたずんでいるだけだった。

「ここはいったい?」

カムイは中央にある石碑へと近づいていく。

すると石碑の正面が輝き出し、光の文字を刻みだした。

「何だこれ?古代文字か?見たこともないな。」

ジンがその文字を覗き込むようにして見たが、やはりジンでも読めないらしい。

「前回来たときもやはり誰も読むことができなかったよ。あのハイマンスやスクルドのとっつぁんですらな。」

オスカーも近づいてくるがやはり読めないのだろう、ちらっと見ただけでその場に座り込んでしまった。

マールとアストンもやはり読むことはできないようで、皆が頭を悩ませていると、スクアロがおもむろに石碑に近づいていく。

スクアロは石碑に手をあてがうと何やら詠唱を始めた。

「そうか!スクアロさんの『エクスフィール』なら読めるかもしれない。」

アストンがスクアロの特異な能力を思い出し、そう叫ぶと皆がスクアロを見つめた。

「……………。こ、これはいったい。」

やがてスクアロの顔が蒼白になり、とんでもないものを見てしまったかのように顔を歪めた。
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