廃陸の旅団
「二つの違いが分かりますか?」

スクアロがそうカムイに聞く。

カムイは二つをよく見比べてみた。

するとカムイはあることに気が付いた。

「大陸が消えてしまっている?」

「その通りです。最初の画面はおおよそ2000年前の地球の姿。そして二つ目のは現在の地球です。」

アストンはまた何かをコンピュータに打ち込むと、今度は画面にスライドが映る。

アストンはそのスライドにあわせる様にして説明を続けていく。

「人間は知的成長、科学技術の発達により大きな力と安定した生活を得ることができました。しかし、その成長は地球の限りある資源を使うというリスクをも伴っていました。」

大地から沸き上がる黒い液体。

生い茂る森林。

そして海に浮かぶ氷の大地。

「莫大な資源もやがてその限りを見せ始め。西暦2000年頃になり我々の祖先はエコロジーと言う考えを生み出しますが、資源の無駄遣いは止めることができず。結局、資源が尽きるのをわずかに先送りしただけでした。」

先ほど見た、大地からは黒い液体は無くなり。

木々は枯れはて。

氷の大地は溶けだしていた。

「そして西暦2100年初頭にはほとんどの資源を使いきってしまったのです。」
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