廃陸の旅団
カムイの手がわなわなと震える。
「お前たちは、お前たちの世界も人々も生命も、何もかもを見捨てたのか。」
吐き気すらするほどの憎悪を抱きながら七人を睨み付けたカムイ。
「黙れ小僧。」
ハイマンスの一喝にカムイは口をつぐんだ。
「そういうわけで我々はこの惑星でまた、人類を復活させる計画を続けていた。しかし、人間とは卑しく愚かな生物だ。今まで通りの世界ではまた同じ過ちを犯すだろう。」
ジンらしくない重い口調。
アストンらしくない軽快な喋り。
今カムイの目の前にいる七人はカムイの知る七人とは遠くかけ離れていた。
「そこで我々は、この惑星に様々な建造物や植物を作り出していくのと同時進行で、どういった惑星にしていくかのプランを立てていた。」
そう言って画面に映されたのは第三惑星カルカスの姿だった。
「それが……『惑星観察プログラム』だ。シュミレーションにすぎないと思うだろうが、普通のシュミレーションとはわけが違うのだ。」
パチパチとスクアロが何かを入力すると、カルカスにいた人々が画面に映し出される。
「採取した遺伝子から個々の人工知能を作り、それを元にシュミレーションを行ったのです。つまり、データ上に新たな人間の世界を作り出したというわけですね。」
新たに映し出された2つの惑星。
見たことがない惑星のはずなのに、カムイの記憶の奥底が懐かしさを感じていた。
「まずは全てが平等な"共存"の世界で。そして貧富に隔絶された差を与えた"格差"ある世界で。最後が唯一軍により支配された"統一"された世界でのシュミレーションを行った。」