廃陸の旅団
「さぁ、じゃあ皆に挨拶してくれるかな？」

先生は転校生を教壇の前に連れていく。

申し訳なさそうな笑顔が印象的なその転校生に神居は見覚えがあった。

そして何故だか喜びで身体が震えるのが分かった。

「あの、えっと…初めまして。今日からこのクラスで勉強することになったクラナド･ウォーカーです。まだまだ日本のこと分からないので優しく教えてください。」

クラナドが最後に満面の笑みを見せると、女子達がうっとりしていた。

「クラナドくんは、日本とイギリスのﾊｰﾌだそうだ。皆、優しくしてやってくれな。さてと…席だけど。あ、神居の隣空いてるな。」

クラナドは神居をしばらく見つめると、にっこりと笑って神居の隣に移動した。

そして席につき神居の方を見て言う。

「何だか君とは初めて会った気がしないね。僕たち本当の親友になれると、思わないかい？」

クラナドはそう言うと神居に手を差し出した。

少し恥ずかしげに神居はその綺麗な手を握り返す。

「うん…俺もそう思うよ。」




僕達は巡り合う。

戦いのないこの世界で。

次こそは本当の親友として。

壊れることのない、霞むことのない強い絆を持って。




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