廃陸の旅団
夕暮れが街をオレンジ色に染めて、悲しいくらいに美しかった。
「神居、話ってなに?」
神居は百合を放課後の公園に呼び出していた。
「いつも夢の話してるけど、あれ夢じゃないように思うんだ。」
2人はベンチで寄り添う。
「また変なこと言い出してあんたは……」
呆れた様な百合の顔。
神居はじっと見つめる。
「カムイとリリーの最期の約束覚えてる?」
「えっ……うん、覚えてるけど。あの……」
神居はゆっくりと百合に顔を近付けていく。
目を瞑った百合の唇に神居の唇が重ねられる。
2人の耳から全ての音が消えて、百合は無意識の内に涙を流していた。
親愛なる者達が、今この世界でようやく結ばれるのだった。
《....The end.》