廃陸の旅団
すると部屋のドアがノックされ、ソニアが入ってくるとローザスに何かを耳打ちした。

「………そうか。分かった下がっていいぞ。」

ソニアはローザスに敬礼をして部屋を出ていった。

ローザスは少し嬉しそうに笑っている。

「二つ目の任の話に入ろう。実は少し不安材料が残っていたのだが、それも無くなった。無属民のアジトのだいたいの目星が付いた。」

部屋の扉の下部にある風穴の様な所から、なにやら黒い物体が部屋に入ってきた。

「うわ、何だこれ!?って――」

ふかふかの黒い毛。

大きな瞳。

揺れるヒゲ。

「ミャァ。ミャァ。」

「ね、猫!?」

黒猫はローザスの膝の上にジャンプすると、チョンと座り後ろ足で首をかいた。

「正確な場所を突き止め次第その場所をこの伝書猫のキディを遣って伝える。この子は特殊な猫でね……気付いたかい?」

「フォースを感じない――?」

ローザスがにやりと笑うと、キディは誇らしげに喉をゴロゴロと鳴らした。

「キディは自らの外周にフォースの幕を張り、気配を完全に絶つことができるんだ。凄いだろう。」

ローザスに頭を撫でられたキディはニャーと気の抜けるような声を出した。


「一つ目の任が終わりしだいお前達は無属民のアジトに潜り込み、クラナドを連れ出してこい。」

キディのゆるい雰囲気に気の抜けてしまったカムイだったが、気を取り直して聞く。

「それでは反乱が起こるのでは?」

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