廃陸の旅団
さっきまでの鈍重な幼虫とは違ってマザー・ワームは飛翔しながらの素早い攻撃と、呪術を駆使して仕掛けてくる。
「はっはっは。人間ごとき下等生物に我の攻撃は見切れまい。」
確かにマザーワームの言う通りでカムイは悪戦苦闘していた。
あちらの速い攻撃は防御がやっと、こちらの攻撃はひらりとかわされてしまう。
「マザーワームを捕らえよ『ターピュレンス』」
リリーの生み出した乱気流がマザーワームを包む――
「効かぬわ!!」
がしかし、マザーワームは強く羽をはばたかせだけで、無理矢理に乱気流を掻き消してしまった。
「甘いわ人間。その程度の術では我にかすり傷一つ付けられぬぞ。」
一旦引いて出直すかとカムイが考えはじめた瞬間だった。
「それじゃあこんなのはいかがかしら?」
どこからともなく現われた少女がマザーワームに突進していった。