廃陸の旅団
カムイとリリーはマールを連れて洞窟を抜けた。

外はもう日が暮れかけている。

入り口には何故かロディーがいなかった。

「あれ?ロディーさん居ないや。」

「本当だ……どこか行ってるのかな?」

カムイとリリーが顔を見合わせた時だった。

「これはこれはお二方。無事に帰られて何よりです。」

ロディーが街の鉱夫達を連れて迎えてくれた。

「ロディー!!依頼されたアンダーワームは私が倒したわよ。さっさと報酬よこしなさい。」

カムイにおんぶされたままマールがやんやと暴れる。

「おやおや、マール様もおられたのですか。ずいぶんと彼らと打ち解けたようですな。」

今までのマールなら打ち解けていない、と強く否定しただろう。

しかしロディーからの報酬を数えているマールは否定する暇がなかった。

もちろんリリーのことがあり否定できないのもあるが。

「ロディーさんがマールを呼んでくれたんですか?」

カムイはもう完全に元気そうなマールを背中から降ろす。

「いや、呼んだと言いますかなんと言いますかな。色んな方に依頼しておったからの。」

「なんだ、俺達だけではなかったんですね。」

ロディーは少しだけ申し訳なさそうに頷く。

そして優しげな眼差しでリリーとマールを見つめる。

「どうやらリリー殿の方はマール様と本当に打ち解けたようじゃな。」

ロディーとカムイの視線の先ではリリーとマールが仲良く話をしていた。

「ほれマール様はあの性格じゃから、あまり人との関わりと言うのが得意ではなくて。」

「確かに意地っ張りですけど、いい子だと思いますよオレは。」

そう言ったカムイに向かいロディーは軽く頭を下げたのだった。
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