廃陸の旅団
修道院の中もやはりシンメトリーになっていた。
天井を支える白い石柱はとても神聖で、壁に並んだ絵画がさらにこの建物を際立たせる。
暖かい白い光が反射して、きらめく。
カムイとリリーはしばし、その光景に目を奪われた。
「あ、そだ。マールちゃんは礼拝堂にいるって言ってたわ。まずは礼拝堂に行ってみましょう。」
「礼拝堂ならこっちじゃよ。」
ロディーの案内で礼拝堂へと入るとマールの声が聞こえてきた。
「ちょ、なんで没収なんですかぁ!?」
「なんでじゃありません!!また掃除を抜け出して。あなたには神に使える者としての誇りというものはありませんの?」
マールは背の高い修道女と口論していた。
「なによ、あの洞窟でまた作業できるようになったんだから報酬くらいもらったってバチなんかあたらないわよ。」
「お黙りなさい。アンダー・ワーム退治は確かに手を焼いていましたから手柄ではありますが、仕事を抜け出すなんて言語道断です。」
「マリアのけちんぼ!!そんなんだからいつまでたっても結婚できないのよ!!」
プチっと何かが切れる音。
「なんですって!?この世間知らずのガキがぁあっ。」
ペチっとロディーが額を叩くとマリアは正気を取り戻した。
「神の前じゃというのにその言葉遣いはいかがなものかの?マリア。」
「ロディー……申し訳ありません。」