神様に背いた二人
呆然と立ち尽くしているとママが、


「リコ!お兄ちゃんに見とれてないで、パパに挨拶しなさい。」


「あっ。はい。はじめまして。リコです。」


自分が何を話しているかもわからない。


心は別の場所にあった。

マリオの愛し方、吐息…そして、あの熱い眼差し…。

全てが鮮明に蘇る。


パパは、


「ハハハ。はじめましてじゃないんだけどな…。リコちゃん。小さい頃離れたから覚えてないと思うケド、リコちゃんのパパのリョウです。そしてこっちは、リコちゃんの兄のマリオ。今年で21歳。ほらマリオ、リコちゃんに挨拶して。」



パパに促されマリオは、

「あっ。はじめまして…。マリオです…。」


明らかに戸惑いの色が見える。



アタシは……、


「はじめまして…。リコです。」



"初めてじゃないのに…。"
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