神様に背いた二人
手を離そうとすると、アタシが逃げないようにそれ以上の力で強く握ってくる。

「ちょっと!アタシ、ホストクラブなんて行かないから!!」


「誰がホストクラブなんて言ったー??オレ、紳士だし。」


「傷心にくれる女の心理につけこむのがどこが紳士なの!?」


「そういう子羊ちゃんを導くのがオレの仕事!今日はマリオフルコースだから、彼のコトなんて忘れさせてあげるよ!」


なんだかこの人の強引さに巻かれて、自分がさっきフラれたコトを忘れてしまう。


「ねぇ。マリオって言ったっけ??もう逃げないから、そんなに引っ張らないで。」


「ホントに??もう逃げない??子羊ちゃん。」


「逃げません。」


「わかった。じゃぁ、ラブラブで歩いて行こう。」


今度は優しく手を繋いできた。


"ホントにこの人のお陰で落ち込むヒマがないよ。"
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