神様に背いた二人
泣きながらマリオに訴えた。


「リコ…。わかったよ。だから、泣くな。泣かないでくれ…。」


ウソ……。


アタシなりの精一杯のウソだった。


この涙は、マリオとキョウダイたのが悲しくて…。


妹やってかなきゃいけないコトが辛くて…。


もう、マリオと愛し合えないコトが堪えきれなくて…。


「アタシ、これからはマリオのコト、お兄ちゃんって呼ぶから。」


アタシの強い眼差しにマリオは、


「……わかった。わかったよ、リコ。オレも初めは戸惑うと思うケド、リコのコト妹だって思えるように頑張るよ。リコの思いは分かった。オレは、リコを困らせたくないんだ。リコの涙は見たくない。ゴメンな、リコ。」



「分かってくれて、アリガト。」


ホントは、マリオの胸に顔を埋めたい。


抱きしめてほしい。


キョウダイじゃなく、男と女として…。
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