神様に背いた二人
「……否定はできないよ。最初は、そうだった。でも、リコと接していくうちに、リコ自体を好きになっていってたんだ。」



「その女の人より!?」


「………それは…。」


「もういいよ!」


アタシはそう言うと、マリオの部屋を飛び出した。


アタシは何をしてるの…??

マリオは、お兄ちゃんなんだよ??


好きな人がいようが関係ないじゃない。


むしろ、祝福すべきコトなんだよ??


でも、マリオは、アタシの瞳を愛してたんだ。


アタシがこの瞳じゃなければ、他の女の人と同じようにあしらわれてただろう…。



手の届かない存在って何??


マリオでも失恋するんだ…。


あぁ、それで同じ瞳のアタシを身代わりに愛したんだ…。


身代わりに…。


惨め以外の何物でもないよ。


アタシは引っ越しというコトも忘れ、部屋に閉じこもっていた。


気付くと、泣きつかれて寝てしまってたみたいで、夕方になっていた。
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