神様に背いた二人
アタシは、洗面所で顔を洗うとリビングへ。


綺麗に片付いている。


ママは、食事の支度をしている。


パパとマリオはコーヒーを飲みながら、語っている。

アタシ…、どこにいよう…。


アタシがボーッと入り口に突っ立ってると、パパが、

「リコちゃん。こっちに座ったら??」


「あっ、うん。」


アタシはマリオの真ん前に座ってしまった。


ママがコーヒーを持って来てくれた。


真ん前にマリオ…。


気まずい。


さっきは、一人で逆上して。


アタシはマリオの恋人でもなんでもないのに…。


するとパパが、


「リコちゃんは恋人でもいるのかなー??」


「えっ!?……いないよ。」


「そうかー。こう言っちゃなんだが、男親としては安心だなぁ。マリオもここ二年位、特定の彼女はいないみたいだが。不特定はどれだけいるのやら…。」



チラッとマリオを見るパパ。


マリオは、


「父さん!リコが誤解するような言い方するなよ!オレはリコにとって、いいお兄ちゃんでいたいんだから。」


マリオはアタシを真っ直ぐみてそう言った。



"いいお兄ちゃん…。"



確かにアタシがキョウダイでいたいって言ったんだけど…。なんだか心が痛いよ。
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