虹色サイダー
「またお前は極端なんだから」


今日は寒い、こんな中自転車をこぐのは最悪。


だけど一人分の重さを追加されたこれをこぐと、意外とすぐ息が上がり、身体も熱くなってくる。



「そんなことない、あっちが悪い」



頑張る兄にしがみついてるだけの、いいご身分の彼女は明らかにむくれている。


制服のスカートが短いから横乗り、端から見たら仲良しなカップルだろうか。



「セックスだけが、愛じゃないでしょう?」


「この間と言ってることが違う、お兄ちゃん」



しまった、今のは余計にこじらせたかな。



気づかないフリをして、ペダルを強く踏む。


 
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