虹色サイダー
……え、放置プレイ決定?



そんなのますます状況悪化。


ならやっぱり、ここは諸悪の根源、虎を行かせる他にない。



「虎」


「なんだ」



腕組みして黙っていた虎を連れ、近くの白い自動販売機まで歩く。



「はいお金」



そして財布から百五十円出して、有無を言わせず虎に持たせる。



「それ全部ここ入れて。そしたらこのボタン……じゃないや、的押して」



外来語が使えないって難しい、まあなんとかなるもんだけど。



ただ促されるままに指を動かしていた虎は、ガタン、という商品が落ちてくる音に敏感に反応した。



「はい、これで飲み物が買えます。ちなみにこれは思李の好きな『四ツ谷サイダー』です」



取り出し口から冷えたペットボトルを出して、虎に見せると、その眉頭が一気に近づいている。


 
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